ロータリーエンジンの実力
そのシリンダ(ローターハウジング)の側面は2ノードのペリトロコイド曲線というまゆ型である。ピストン相当のものはローターと呼ばれ、シリンダに内接する3葉の内包絡線で構成された三角おむすびの形(ルーローの三角形)をしている。ローターは芯のずれた軸(エキセントリックシャフト、右図中心の白い部分で軸は回転中のB)に取り付けられ自由に回転するようになっている。その回転を制御するためエキセントリックシャフトの回りでサイドハウジングに固定され回らない歯車(茶色)の回りをローターの内歯がかみ合うようになっている。出力はエキセントリックシャフトがクランクとして動作することで取り出される。ローターの1回転で4サイクルの工程が3組進行し、エキセントリックシャフトは3回転する。
ロータリーエンジンは、エンジンのシステム上ではピストンバルブ式の2ストロークエンジンに近い仕様で、エンジン特性も4ストロークエンジンよりも2ストロークエンジンに近いものとなっている。
1990年代以降には水素ロータリーエンジンがマツダによって研究開発されている。水素燃料は再生可能エネルギーの一種であり、また燃料電池用の燃料としてのインフラ整備が課題に挙がっている。その水素燃料を容易に転用できる内燃機関のひとつとして、ロータリーエンジンは有望である。これは吸気室と燃焼室が分離しているため吸入工程で異常着火(バックファイアー)が発生しないという構造上の特徴があるためで、現時点では燃料電池車などと比べてはるかに現実的な解法である。水素は燃焼速度が速く燃焼室形状が問題になりにくいという相性の良さもある。また、水素以外でもガス燃料であればロータリーエンジンの方が有利であるとされる。ただし、水素を燃料として使用した場合はガソリンと比較して大幅に出力が低下すること(13Bロータリーエンジンの場合は僅か110馬力)、インフラの整備にめどが立たないこと、水素吸蔵合金を使用すれば車が重くなり、高圧水素タンクを使用すれば衝突時の爆発の危険があること、そのどちらにおいても航続距離が短距離に留まることなど、水素を燃料としても根本的なシール性の問題や熱効率の悪さというロータリーの欠点は引き続き存在する、などの多くの欠点があるのも事実である。
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